「日本資本主義の父」と言われる渋沢栄一の著書『論語と算盤』

堅い内容だと思いきや、めちゃくちゃ読みやすく
現代にも通じる話で凄く勉強になりました。
現代社会(資本主義経済)の中で、人はどう生きていくべきか? 気になったポイントをいくつかピックアップします。 士魂商才 「士魂商才」武士の精神と、商人の才覚を併せ持つことを提唱。 「士魂」の養成の根底には『論語』があり、「商才」の方も『論語』で充分養える チャンスを待つ忍耐 世の中を渡っていく(処世)ためには、 成り行きを広く眺めつつ、気長にチャンスが来るのを待つということも決して忘れてはいけない 得意なときだからといって気持ちを緩めず、失意のときだからといって落胆せず、 いつも同じ心構えで道理を守り続けるように心がけることが大切 成果を焦っては大局を見ることを忘れ、 目先の出来事にこだわってはわずかな成功に満足してしまうかと思えば、 それほどでもない失敗に落胆する 誠実さ 何事も誠実を基準する 極楽も地獄も気にかけない。 ただ現在において正しいことを行ったならば、人として立派なのだと信じている。 成功や失敗といった価値観から抜け出して、超然と自立し、正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら、 成功や失敗などとはレベルの違う、価値ある生涯を送ることができる。 仕事への向き合い方 どんな場合も些細なことを軽蔑することなく、 勤勉に、忠実に、誠意をこめて完全にやり遂げようとすべき 若いうちは、気が大きくなって、些細なことを見ると、何だこれくらいと軽蔑する癖がある。 しかしそれが、その時限りで済むならまだしも、後日の大問題を引き起こしてしまわないとも限らない。 受付や帳簿つけといった与えられた仕事を、その時の全生命をかけてまじめにやれない者は、 いわゆる手柄を立てて立身出世の運を開くことができない。 自分を磨く 現代において自分を磨くこととは、現実のなかで努力と勤勉によって、知恵や道徳を完璧にしていくこと。 つまり、精神面の鍛錬に力を入れつつ、知識や見識を磨き上げていくべき。 自分を磨くというのは、自分の心を耕し成長させること。 言葉で言えば「練習」「研究」「克己」「忍耐」といった熟語の内容を全て含み、 理想の人物や、立派な人間に近づけるよう少しずつ努力することを意味している。 とにかく人は、誠実にひたすら努力し、自分の運命を切り開いていくのがよい。 もしそれで失敗したら、「自分の智力が呼ばなかったため」と諦めること。 逆に成功したなら「知恵が上手く活かせた」と思えばよい。
 
 

 

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

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